音楽の教科書にはスタッカート”staccato”は「切る」と書いてあるかもしれないが、実際は「離す」を意味する”staccare”(イタリア語)が語源なのだ。これ、「切って弾く」と覚えている人も多いのではないだろうか。

切って演奏しようとするが故に、音が雑になったり跳ねすぎていたりと違和感や問題が生じるケースが多くみられるので、スタッカートの意味を再考すると更に良い演奏につながるきっかけになるかもしれない。
どれくらいのスタッカートで演奏するかは、その曲の性格やテンポ等、「作品と相談」して決めることになるため、響きの余韻のあるスタッカート、結果として切って聴こえるスタッカート等、曲の場面に合わせて異なる質で弾くべきなのだ。
自分の力で楽曲の表現を作る経験にもなるから、レッスンでは「どれくらいのスタッカートで弾いたらいいかな?」と子どもの生徒にもきいている。
他にもアンダンテやフェルマータ等、イタリア語の語源を調べてみると日本の音楽の教科書や一般的な認識とは異なるだろうから、一度その国の言葉で調べてみるというのは重要なのだ。
ちなみに生徒達には学校の音楽のテストでスタッカートの意味を問われたら、教科書通りに書きなさいと言ってある(笑)